ESP8266を使って自宅外の気象情報を監視する④ – 電力消費に必要なソーラーパネルの枚数を見積もった

なぜソーラーパネル2枚でうまくいったのか

前回のブログにて、電源供給をアルカリ電池からソーラーパネル2枚+リチウムイオン電池の構成により、コンセントからの電気供給することなく、かつ電池交換なしで動かし続けることができるようになりました。

とはいえ、なんでうまくいったのかは、今後のためにもやっぱり知っておきたいので、自身の勉強も兼ねて、今回の回路構成で、ESP8266がどのくらい電力消費するのか、また、電力量を供給するために何枚のソーラーパネルが必要になりそうか、見積もりにトライしてみました。

見積もり向けにテストしたもの

前回のブログにも記載した構成でテストしました。

測定方法

測定対象としては、①通常発生する電圧と電流から消費される電力量、②ソーラーパネルから充電回路へ発生する電圧と電流から蓄電される電力量(1枚と2枚)としました。①については今回使用した充電池からの供給でテストしました。

測定ポイントとしてはそれぞれ次の通りです。①はESP8266へ電力が供給されるところ、②は充電池へ電力が供給されるところとしています。

電圧はピンの両端を、電流は+のコードを外し、テスターと直列につなげて測定

①と②での数値を計測した後、日中(午前6時〜午後6時)の12時間で充電、夜間(午後6時〜午前6時)の12時間で消費を想定したときに翌日午前6時までに電池切れを起こさないかどうかを考察しました。

どのくらい消費するか見積ってみた

AmbientDataさんのサイトでのテスト結果を参考にすると、アクティブ時の電流が75mA、Deep Sleep時は0.4mA〜0.5mAのようです。

実際に今回組んだ回路をベースに電圧、電流を測ってみました。なお、あくまでも測定して大体こんな数値ぐらいかなと、いった感じですので、そこまで正確な測定はしていないです。あくまでも見積ですので・・・

①通常発生する電圧と電流の測定

ESP8266へかかる電圧は約4.0Vでした。これはアクティブ時もDeep Sleep時も変わりません。

電圧は約4.0Vで一定でした

続いて電流です。アクティブ時は75mA〜95mA、Deep Sleep時は15mA〜25mAでした。

アクティブ時の電流

Deep Sleep時の電流

ESP8266でもWeMosを使っていることもあるせいか、Deep Sleep時でも電流は結構高めでした。

上記の結果から、USB経由でESP8266へ接続した時に出力される電圧は4.0V、アクティブ時の電流を75mA、Deep Sleep時の電流を20mAとし、これを時間単位の電力量で見積りました。おおよその計測から、アクティブ時間は10秒、データ送信は10分ごとなので、計6回と仮定しています。

ESP8266での消費電力量(Wh)

  • アクティブ時:4.0V × 0.075A = 0.3W
  • Deep Sleep時:4.0V × 0.02A = 0.08W

消費電力量:(0.3W × (10秒 × 6回)) + (0.08W × 3,540秒) = 301.2Ws ≒ 0.0837Wh

と、いうことは今回使用しているリチウムイオン電池の電力量(11.1Wh)を使った場合、今回の回路を動かした場合の持続時間は(11.1Wh ÷ 0.0837Wh ≒ 132.6時間)につき、日数でいうと約5.5日でバッテリー切れになる計算です。ああ、やっぱり電池持ちしない回路だったんですね・・・

②ソーラーパネルから充電回路へ発生する電圧と電流

ソーラーパネル1枚と2枚のケースで測定してみました。電圧は3.8V、照度はその時間帯で測ったBH1750での値になり、おおよそですが、8,000ルクス前後あたりの状況下でした。

なお、測定条件(時間や測定環境)はほぼ同じと思いますが、厳密には同じには合わせていないため、正確性の観点では若干欠ける部分があるかと思います。あくまでも目安として確認した結果となりますので、あらかじめご理解ください。

まずは、1枚のケースです。アクティブ時は-35mA〜-45mA(-40mA)でした。マイナスを示しているので、充電池からの電力が消費されている状態です。

ソーラーパネル 1枚 – アクティブ時

Deep Sleep時は30mA前後(30mA)でした。プラスになっており、蓄電されている状態です。

ソーラーパネル 1枚 – Deep Sleep時

続けて、2枚のケースです。アクティブ時は-5mA〜-10mA(-7.5mA)でした。少しですがマイナスを示しているので、充電池からの電力が消費されている状態です。

ソーラーパネル 2枚 – アクティブ時

Deep Sleep時は55mA〜65mA(60mA)でした。プラスになっており、蓄電されている状態です。

ソーラーパネル 2枚 – Deep Sleep時

充電池へ供給された電力量(Wh)

1枚のケース

  • アクティブ時:3.8V × (-0.04A) = -0.152W
  • Deep Sleep時:3.8V × 0.03A = 0.114W

供給された電力量:(-0.152W × (10秒 × 6回)) + (0.114W × 3,540秒) = 394.44Ws ≒ 0.110Wh

2枚のケース

  • アクティブ時:3.8V × -0.0075A = -0.0285W
  • Deep Sleep時:3.8V × 0.06A = 0.228W

供給された電力量:(-0.0285W × (10秒 × 6回)) + (0.228W × 3,540秒) = 805.41Ws ≒ 0.224Wh

ESP8266での消費電力量が0.0837Whであり、これが夜間稼働で午後6時〜午前6時の12時間太陽光による電力供給がなかった場合、必要な電力量は約1Wとなります。

1枚の場合は供給される電力量で日中の12時間で約1.31W、2枚の場合は約2.68Wとなります。およそ2倍の電力量となるため、1枚増やせばその分供給できる結果となっています。

1枚で維持した場合、なんとか翌日の日の出までに持ちこたえられそうな感じではありますが、日中の気象状況によって12時間まるまる同じ電力量が供給されるとは限りませんので、今回のケースでは電池が持ち堪えるのはやはり厳しいかなぁといったところです。

そうすると、通常消費量の2倍ぐらい(12時間で約2W)の電力量を充電池へ溜め込みをしておいた方がよさそうです。

振り返り

今回の測定結果を見て、今回のケースにおいては、ソーラーパネル2枚(6V 1W × 2)で稼働すれば日中の余剰電力が充電され、夜間消費されても電源が切れることなく、翌日も維持できることがわかりました。

フィードバック、ご指摘歓迎ですが、今回の測定方法や結果については、あくまでも今回のケースでのものになります。全てのケースで当てはまるわけではありませんし、結果については何の保証もできませんので、ご参考程度として捉えていただければ幸いです。

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