自宅DIY ガーデンアップライトを取り替えをしたぞ

タイトルからして、「普通じゃん」と思いますが・・・なぜこれを書き残そうとしたかと言うと、昨年ですが、「第二種電気工事士の資格取得のことを書きました」でも書きましたが、趣味でやっていたIoTをきっかけに電気工事士の資格を取りました。

とは言え、資格を取ったからといって、特にそれを使った仕事をしている訳でもなく、いわゆる資格だけ取った「ペーパー」のままなんですよね。もちろん、取ることが目的ではなく、取ったからこそ、電気工事士でしかできなかったことをにトライしたい、という想いはありました。

だからといって人様の家にすぐに電気工事できるわけではなく、まずは趣味の範囲内で自宅内で何か電気工事できるものはないかなあ・・・と探していたわけです。が、自宅自体もまだ建てて新しいですし、そんなすぐに電気工事が必要な箇所はなかなか見つからないのです。さらに、いざやろうと思ってもそんな「ペーパー」工事士にうちの妻は工事に賛成するはずもなく、「本当に大丈夫なの?」、「火事になったらどうすんの?」と言われ、それをチャンスが今までなかったんですよね。

で、そのチャンスが来た

自宅の外構の門まわりの下に、夜間に表札やポストに照明を当てる「アップライト」があります。そのアップライトは自宅を建ててからずっと使っているのですが、半年前から照明がつかなくなりました。ちなみに、そのライトですが、こちらですね。

ライトをよく見るとわかりますが、蓋の内部に水滴がついています。
防水がうまく機能していなかったようです。

「LEDライトが壊れたのかな」と思ってライトの蓋を開けて電球のソケットを見てみたところ、雨があたる場所にあったせいか、ソケット部分にかなりのサビがあり、かなりボロボロの状態になっていました(実際の状態はこのブログに一番下の画像があります)。

このライトは直接コンセントに繋がっていないやつなので、おそらく電気工事が必要でしょう。お、これなら自分でもDIYで電気工事できるんじゃないかなと。で、その状態を妻に伝えた上で、新しいのに変えたいこと、加えてきちんと手順を確認して電気工事するから自分でやらせてほしいと相談したところ、「いいんじゃない」とOKの返事を貰うことができました!

そういう訳で、ようやく電気工事として実践できる場を得ることができたので、自身がやった記録を残すため、そしてその内容が仮に間違っていた場合の反省と直しのために、このブログに用意したこと、やったことを残そうと思います。

用意したもの・事前準備

※当人は「第二種電気工事士」の資格を有しているため、今回の工事を自分自身でやりました。器具の取り付けに関しては、必ず電気工事有資格者が工事を行う必要があります。資格のない方による工事は絶対に行わないようお願いします。

取り替えるライトについては小型で他の商品と比較して重量が軽く、見た目スタイリッシュだったのでこちらを今回選ぶことにしました。

購入前に、タカショーデジテックの商品ページにある取扱説明書をダウンロードし、どうやって工事するかを調べました。対象箇所はこちら。

ここで記載されている工事内容としては次の2つのようです。

  • 圧着スリーブで接続し、自己融着テープ+絶縁テープで防水・絶縁処理
  • アースを取る(D種接地)

なるほど、圧着スリーブでの接続であれば、試験でもリングスリーブでの接続を実施したので、これなら電気工事士の「ペーパー」の知識からでも実践しやすそうです。

ただ、圧着スリーブと言っても、試験でやったリングスリーブ以外にも用途によって「突き合わせ型(B形)」、「重ね合わせ型(P形)」もあります(ちなみにリングスリーブはE形です)。接続したい電線の種類、太さ、本数に適したスリーブを決める必要があります。

ということで、商品の到着後に実際の「モノ」と、電源側の接続が何のケーブルを使用してるかどうかを確認したいと思います。

で、商品が届きました。

届いたケーブルが若干細いなあ、思って種類を見てみると、「VCTF 0.75(より線)」であることが分かりました。VCTFの正式名称は「ビニル絶縁ビニルキャブタイヤ丸形コード」、つまり「コード」であって、「ケーブル」でないのです。あれ、確か「ケーブル」は屋外設置はできるけど、「コード」はできないんじゃなかったんだっけ・・・、でも屋外設置前提だよな?・・・自分の頭の中でしばらくの間「???」が続きました。

インターネット上のいろんなサイトで調べてみたのですが、VCTFはあくまでもコードなので基本は「屋内配線」での利用のようです。でも別のサイトでは屋外使用でも安心と書いてあったりと・・・うーん、この場合どうやって配線するべきなんだろ。屋外用のライトに繋がっているコードだから、そのまま配置して圧着スリーブ接続の部分だけ防水・絶縁処理さえしていれば良いのかな?で、しばらく悩みつつもう少し工事事例等を調べてみたところ、この手のライトに繋がるケーブルやコードは土に埋めて配線すると思われるので、そうすると「PF管」を通してやったほうが防水、絶縁上より確実であると考え、最終的にはPF管に通してコードを配線することに決めました。

で、早速近くのホームセンターでメートル単位でバラ売りしているPF管を購入。ライトを設置する工事場所が狭いので、うまく土中に埋めてもうまく収まるように事前に小さくぐるぐる巻きにして養生テープで形を作っておきます。

次は接続部分の確認です。実際には当日の工事時に古いライトを取り外す際にわかると思いますが、そもそもどういった感じで工事されてるのか見れば、今回のも十分に参考になるかなと思いました。

まずは自宅の外にあるライトを繋ぐプルボックスの確認です。蓋をあけるとこんな感じになっていました。

今回のライトは自動点灯スイッチによって、夜間時にセンサーが反応して一定時間点灯するようになっています。このスイッチを経由したケーブルが下から上に配線されており、これとライトへ接続しているケーブル同士で配線されているようです。端子接続は絶縁被覆付きのリングスリーブ(P形?)が使用されていました。

余談ですが、真ん中の2本のケーブルは穴を開けて面取りなしで通しているようですが、これは果たしてよいんだろうか・・・

ライトへ接続しているケーブルの形状と太さから、VVFの1.6mmが使用されていました。

念の為、現在のライトがある地面を掘り起こしてどんな感じで接続されているのかも確認しました。おお、テープでそのまま接続していたんですね。

電源側はPF管があり、絶縁テープで保護されていますが、その管からVVFケーブルがでているようです。ライト側のはそのまま土中に埋まっていました。ケーブルの種類を確認しますと、こちらはVCTでしたので「ケーブル」が使用されていました。

そうすると、ライト側は「VCTF 0.75(より線)」、電源側は「VVF 1.6mm(単線)」なので、これを接続するとなると、リングスリーブ(E形)でかつ丸小(「○」でマーク)で圧着することで問題なさそうです。

次はアースを取るためにアース棒(アース電線付き)を購入。こちらも近所のホームセンターにて。

30cmの接地棒です

設置されていたライトの周りは樹木や草花がある場所なので水やりとかで水気・湿気の多い場所で使用する電気器具になりますし、取扱説明書にも「接地」は必須とのことで、「D種接地」で工事します。基準では「300ボルト以下の低圧用の機器の外箱または鉄台の接地で接地抵抗は100Ω以下。ただし、地絡を生じた場合に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置を施設するときは500Ω以下」となっています。

一応自宅のブレーカーを調べたところ、漏電時に0.1秒以内に遮断するブレーカーを設置していたため、接地抵抗については500Ω以下で問題なさそうです。

少し上に「動作時間0.1秒以内」との記載。今のブレーカーはみんな0.1秒以内なんでしょうね。

そういえば、接地抵抗を測るための機器がまだなかったので、これを機に簡易測定(2極測定)のものですが、購入しました。

2極の場合は既設の接地極(A種接地)との合計値になることから、本来の値より少々の大きい値になると思われますが、A種接地の接地抵抗値は10Ω以下ですので、合計値でも確認する上では大きな影響がなさそうな数値です。

いざ、工事実施

作業しやすい天気がよい休日を待って、実際に取り替えを行いました。まずは事前に外構へ繋ぐ電流は配線ブレーカーで遮断しておき、かつ、外構のプルボックスへつながっていて自動点灯用のケーブル部分もコンセントになっていたため、それを取りはずします。

まずは、ライトのケーブル部分を露出して工事しやすいところまで余分な土を取り除きます。

それでも深さ15cmぐらいといったところ

次に、アース棒を差し込むための穴を掘ります。スコップで掘ったのですが、下の地盤が礫も混ざっているためか、これ以上深くは掘れませんでした。だいたい20cmぐらいは掘った感じです。

アース棒はこんな感じで、できる限り地中深くまで埋め込みました。アース線の端子からは地面からだいたい35cmだったと思います。

一旦この状態で接地抵抗を測ってみました。177.5Ωでした。うん、100Ωを超えてますね。思ったより高い数値になってしまった・・・普通ならアウトですね。この場合ですと、アース棒をもっと地中深くに刺す必要があるのでしょうか。ですが、自宅は0.1秒で動作するブレーカーがあるのでOKとしました。

次に、接続部分を剥がして、ライト側のケーブルを切り離します。

電源側のケーブルは再利用する予定なので、絶縁テープ部分を慎重に剥します

剥した後の状態。こちらも絶縁被覆付きの圧着スリーブで接続されていました。接地、非接地側ともにリングスリーブの下部から切断し、接触を防ぐために、一旦電源側の電線を絶縁テープで巻いて絶縁状態にしておきます。

今回のライトを仮差ししてコードを這わせます。このあとコードをPF管に入れていきます。

PF管にコードを入れた後、両者をリングスリーブで圧着します。異なるサイズの電線接続ですが、VVF1.6mm 1本 × VCTF0.75sq 1本なので、丸小で圧着します。

画像では「○」印のほうが後ろになってしまいました

取扱説明書通り、自己融着テープでぐるぐる巻きにし、その上から絶縁テープでさらにぐるぐる巻きにしました。こちらも基準通り「ビニルテープを半幅以上重ねて2回以上巻く(4層以上)」を心がけて巻きました。

巻いた後の状態。巻きすぎた感がありますが、
4層以上ですし、多いほど安全ではあるかと

あとは、アース棒につながっていた端子をライトのアース端子へ接続します。こちらの端子はもともとなかったので、丸型端子で圧着しました。アース線は1.6mmの単線ですので、実断面積では2.0sqになると思いますので、合計の断面積から適切な端子を使用します。今回はニチフの型番「R2-3」を使用しました。

本来はもっと早くやるべきだったかもしれませんが、絶縁処理含めてこの時点で全部を接続できたので、ここでブレーカーからの配線を全て繋げた上で外構の配線ブレーカーをONにして点灯を確認しました。

おおお、無事つきました!

ついたところで、最終的にはこんな感じに収めて、取り除いた土を元に戻しました。

土を戻して完成!ライトの汚れは水で流せばよし

念の為、再度接地抵抗とクランプメーターでライトへ繋ぐケーブルの漏れ電流を測り、それぞれ177.5Ωと0mAだったので、工事上は問題なしということで完了としました。

ちなみに、取り外したライトのほうの蓋を外して中のソケットを確認したのがこちら。分かりづらいですが、中はサビと水分が残っていました。まあ、その前にサビでソケットとLED電球が接触不良でつかない状態だったのですが・・・

サビを含んだ水分が残っています。やっぱり替え時だったんでしょうね。

反省・所感等

工事後も特に問題なく、毎日夜間は我が家の門まわりの部分のアクセントライトとして照らしてくれています。今回のは狭角ライトだったので、照明の範囲が若干小さくなってしまった気もしますが、「まあ、そんなもんかな」と満足しています。

真ん中の小さい木はオリーブ。
クリスマスも近いので100圴で買ったものを少しデコレーションしています

一般用電気工作物による電気工事にしては比較的簡単な部類に入るものだと思いますが、部分的とはいえ、それでも工事前の準備、どの圧着スリーブで接続して、絶縁して、測定してと「電気工事」をするために法律や工事基準に従った工事がいかに大変かがよく分かりました。やっぱり机上の知識だけでなく、実際にやらないとわからない部分はありますし、何より体で経験したことは記憶に残る物ですので、次回も同じ作業をする際には多少なりとも自信を持って挑むことができると思います(もちろん工事自体が間違っていなければの話ですが)。

今度は自宅にあるシーリングファンの取り替えとかをやりたいな・・・と思いつつ、またの機会を探ろうと思います。

もし、電気工事士の方がこのブログを訪れた際は、「ペーパー工事士」による工事でした、その内容について何かコメント、ご指摘等いただければ幸いです。NGな箇所があったら一生懸命直します・・・

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です