我が家には2007年から新車を購入した「シエンタ」(色はホワイトパールクリスタルシャイン)があり、買い替えもせずに、ずっとその車に乗っています。今年になって、走行距離が10万キロを超えたところですね。
トヨタの「シエンタ」はミニバンで居住空間も広く、7人乗り、かつコンパクトな車なので、家族向けには非常に便利の良い車で有名だと思います。当時のシエンタはあの「丸い」ヘッドライトが特徴で、今の最新のシエンタ(2023年時点)のシャープな顔つきのものと比べれば、どこか人懐っこさを感じるモデルではないかなと思います。
何度か買い替えようとも考えてはいたのですが、結構愛着もあるので、こうなったら「廃車」まで乗り倒してやろうじゃないか、という勢いで今もガンガン使っています。
そんな我が家の「シエンタ」ですが、最近とんでも無いことが起きていました。
これ、ひどくないすか??
見てください。このフロント屋根部分の塗装のハゲっぷりを。
この状態になったのは去年頃からです。最初は屋根に何か切り傷みたいなのが2、3箇所あって、それが時間経過とともに徐々に塗装部分が剥がれてしまい、最終的には広範囲で剥がれまくってしまっている状態ですね。
とりあえず、その場しのぎで剥がれた箇所をタッチアップペンで塗って目立たないようにしていたのですが、瞬く間にそれ以外の箇所が剥がれてしまって、前を行く車のバックミラーからこのありさまを見られるのが、恥ずかしくなってきました・・・
まあ、購入時からずっと青空駐車でしたので、紫外線等の経年劣化で塗装自体が剥がれても致し方がないかなとは思っていましたが、まさかこんな感じでひどくなるとは思いせまんでした。
一応、昨年の車検時に購入したディーラーにも見てもらったのですが、そのような状態になるのは今までも見たことも聞いたこともないとのこと(知らないフリをしていたかもしれませんが・・・)。
ディーラーで塗装する場合はその部分以外を覆ってするのではなく、一旦各パーツを全部はずしてから屋根部分を残した状態で塗装する必要がある(というか、ルールらしい)ということで、結構な金額になるとのこと。それだったら板金屋さんに持っていった方が正直安く抑えられますよとそちらを勧められました。
ちなみに、こういった塗装の剥がれはパールホワイト色にだけ発生するメーカーによる塗装の不具合のようです(https://toyota.jp/recall/kaisyu/190403.html)。メーカーも不具合には承認しており、外板における保証を標準5年から10年に延長しているようですが、残念ながら我が家の車は購入から10年以上経っているので、メーカーの保証が切れている状態でした(そもそも「シエンタ」がリストにないんだけど、10年以内だったらどうなっていたんでしょう)
話を戻すと、さすがにこのまま放っておくと見た目もよろしくないし、車のケアをしていないことがご近所さんからも分かってしまうので、「直す」方向で考えているのですが、「誰が直すか」で家族内で議論になって、「板金屋さん持ってく?」「自分たちで直す?」というどちらかの選択を取ることになったわけです。
で、最終的にその車のオーナーであるうちの妻が「まあ、この車もボロいし、外から見て目立つようなものじゃなければ、どんなんでもいいよ」というお言葉をいただき、「じゃあ、せっかくだから自分たちでトライしてみるか」ということで、DIYでの塗装で補修することに決めました。
と、いうことで揃えたもの
とはいえ、今までの車塗装はせいぜい、傷入ったところをオートバックス等で売っている車専用のタッチアップペンを使ってごまかしごまかしやっていた程度で、今回のように比較的広範囲で塗装するのは初めてでした。
なので、その塗装方法もインターネットや店頭で入手できる無料の手引き等を参考にして補修セットを取り揃えてみました。ちなみに、今回は全部ホルツさんで統一しました。
下準備用
- 耐水サンドペーパー(MH978)(オートバックスのサイトより)
塗装しやすいように補修箇所のサビや剥がれた塗装をはがし、新しい塗料を定着させるために使用します。
サンドペーパーを挟んで用いる道具で、力を均一に加えて平面をなめらかに研磨できます。木片等で代用も可能です。
- マスキングテープワイド(MH942)(オートバックスのサイトより)
ガラス面や塗装したくない箇所をビニール等で覆うために貼付します。
塗装
プライマー(下塗り:電着下地塗料)とサーフェイサー(中塗り塗料)の造語のようです。プライマーの役割である上塗り塗料の密着性向上と細かな傷を埋めて表面を滑らかに整えるサーフェイサーの役割を持つ塗料です。
塗料前に表面に付着している油分や汚れを取り除くためのスプレーです。
ホワイトパール色のシエンタに必要になる塗料です。紫外線や酸性雨などから保護し、ツヤ・光沢を高めます。
クリア塗装後にできる色のざらつき(スプレーダスト)や塗装部分の境界周辺で使用することにより、そのざらつきを溶かして塗装面になじませることで境目を目立たなくするために使います。
仕上げ
いずれも塗装後のツヤ出しで使用します。
- コンパウンド用クロス 3P(MH961)(オートバックスより)
必須なのは車体の色に合わせた塗料になります。「ホワイトパール」色のシエンタの場合はプラサフ含めて、下塗り、上塗り、クリアの3色が必要になります。さらに塗装面との境目を目立たなくする「ボカシ剤」含めると合計5本必要になります。
コンパウンドは研磨と艶出し用途で購入しましたが、これは好みで良いのかなと。ただ、作業の仕上げで塗装面にサンドペーパーで磨いたので、これを滑らかにする意味で使ってみました。
耐水サンドペーパーやマスキングテープ等も併せて購入していますが、こちらはホルツ必須ではありません。ご自宅にあるものを使っていただければと思います。
参考にしたもの
塗料をホルツにしたので、基本的にはそのやり方もホルツさんのサイトにあるガイド(eBook)を見た方がよいかなと思います。
ただ、中身を見ると塗装の回数や時期をあけて次の塗装を行う等、相当時間をかけて作業を行うようです。それが推奨ではあると思いますが、面倒くさがり、せっかちな自分自身の性格上、その通りの手順を踏んでいない場合があります。以降はやったことを書きましたが、とりあえず「外から見て目立つようなもの」じゃなければ良いので、若干手順は端折ってしまいました。なので、あくまでもご参考までということで。しっかり仕上げるのであれば、冊子に書いてある通りにやりましょう。
では補修開始
まずは、作業前の状態から。上にもあった写真で撮った画像よりも少し時間が空いたのですが、前よりも地金部分が露出していて、かつ所々にサビが目立ち始めました。
まずは剥がれた箇所とサビの除去と塗料を定着させるために耐水サンドペーパーで表面を削ります。
こんな感じでサンドペーパーをブロックに巻き付けて、表面に対して直線方向に何度も削ります。今回購入したものは4種類(#100, #320, #600, #1000)があるので、小さい順(粗い順)に表面を削りました。
剥がれた箇所の周りをもう少し削りたかったのですが、手作業だとあまりにも範囲が大きすぎて時間もかかりそうだったので断念・・・ほんとは画像真ん中の箇所が全部地金になるくらい削った方がよかったんだと思いますけどね。
次にプラサフを吹き付けます。その前に塗料をかけたくないフロントガラス面等を保護するために、ごみ袋など覆ってマスキングテープ等で固定して置きます。
とりあえず、プラサフは地金部分が見えなくなるまで、10分ぐらいの間隔で3回重ね塗りしました。
その後、耐水サンドペーパーの#1000を使って、水をつけながら表面を研磨しました。
下準備が整ったところで、次はいよいよ塗装の開始です。その前にシリコンスプレーで塗装箇所の表面にあるチリ、ホコリ、油分を取り除きます。
塗装箇所にシュッと吹き付けて、乾いたふきん等で拭き取りします。
塗装の開始です。まずは下塗り。
こちらも10-15分間隔で4回重ね塗りしました。その状態がこちら。塗った箇所は若干目立ちますが、この状態で運転していても恥ずかしくはないかも。
こちらも10-15分程度おいた後、上塗りをします。
下塗りと同様、こちらも10-15分間隔で4回重ね塗りしました。
次にクリアペイントです。冊子通り30分程度置いてからやりました。
冊子では4〜6回、15〜20分間隔で、とあったのですが、作業開始から結構な回数と時間をかけてやっているので、4回で端折ってしまいました。
最後にボカシ剤です。
今回マスキングで保護した残り屋根部分(真ん中あたり)の境目を中心にその箇所を目立たなくするために、クリアペイントが少し乾き切る前のタイミングで吹き付けました。
これで塗装作業は終了です。この時点での状態はこちら。おおっ、綺麗になりましたね!
あとは仕上げに表面の残りのざらつき箇所を仕上用の耐水サンドペーパーで軽く擦り、その後コンパウンドで軽く表面を研磨します。
そして完成です。それがこちらの画像!
ちなみに今一度、作業前の状態はこんなんでした。
車から少し離れてみても、明らかに塗装してあるようには見えず、初めてのトライにしては無事目立たないように仕上げることができたと思います。
振り返り・反省
確かに外から見ても塗装面が目立たないようにすることができましたが、それでも次へ生かすべき反省点がありましたので、それを書きます。
マスキング箇所ギリギリまで塗装してしまった
ビニールやマスキングテープでの保護は、塗料が付着しないようにすることが目的ですが、その目的をいいことにそのテープの境界線まで塗料をガンガン吹き付けてしまいました。この場合はギリギリまで吹き付けせず、該当箇所のみ吹き付けし、後でボカシ剤やサンドペーパー等で仕上げしておけば、境目がくっきり出ることなく綺麗に仕上がっていたと思います。
クリアペイントの液ダレを無理して取り除こうとしてしまった
場所によってはクリアペイントを多く吹き付けてしまい、時間を置いて乾いた後に見てみると、液ダレしていた部分が見つかりました。これを少しでもなくそうと、その部分にボカシ剤を吹き付けてふきん等で取り除こうとしたところ、案の定余計にひどい状態になってしまいました。
あとは、細かいところで、よく見るともともと塗装が剥げていた箇所が残っていたり(上の画像の下部にその跡が見えると思います)と、もう少し丁寧に、時間をかけてやるべきだったなぁと振り返るのですが、まあ作業工程のいくつかは端折ること前提で進めていたので、結果としては後悔はしていないのですが、次回やる時はこういったところが結果的に影響することを十分勉強できたのでないかなと思います。
今回の塗装と仕上げについては、3日間でできました。これは塗料が乾いてから再度塗るの工程を行っているのでそれ相応の時間はかかると思いますが、作業としては約2, 3時間ぐらいだったかなと思います。まあ、これだけの規模になると、特に研磨に費やす時間と労力はかかってくるので、DIYでやるならピンポイントの補修塗装が良さそうです。
幸か不幸か、実はまだ別の箇所で塗装が剥げているところがあるので、この教訓を活かしつつ、次回はもっと丁寧かつ綺麗にできるといいなと思います。
最後に、こんな素人でも比較的綺麗に仕上げることができたのもホルツさんの冊子のおかげです。次回も引き続きこの冊子を参考にしつつ、トライしていきたいと思います。