このMy Houseサイトのブログでも自宅IoTで試してみた内容を書きましたが、Raspberry PiやArduinoを使って回路を作って、はんだ付けをしてできたものが一応動いてはいるものの、端子間を繋ぐ回路、つまり配線がぐちゃぐちゃ、かつ、はんだ付けしたはんだに不純物が混じっていたり、結線や絶縁処理が甘いのか、電流がうまく流れなかったりと、素人がやっているので、本当にきちんと理解して回路設計や結線作業ができているのか、不安になってしまいました。
いろいろ試していくなかで、「こりゃ、電気や回路のことをきちんと勉強しておいたほうがいいんじゃないか」と感じるようになり、これが今回の電気工事士の資格を取得する動機になりました。
まあ、資格取得してIoTに直接活かせるかどうかわからないのですが、資格を持っておくことで自宅の電気工事ができる(実際は大規模な工事はやるべきでなく、せいぜいコンセントやシーリングライトあたりの補修ぐらいの程度のものですが・・・)ので、「きっと、今後何かの役に立つかもしれない!」とポジティブな気持ちになったので、これを機に挑戦してみることにしました。
まあ、個人的には良いきっかけを得たのではないかなと思います。
と、いうことで、このブログ記事では試験に向けての準備ややったこと、試験でのちょっとしたコツ等、備忘録もかねて自分なりに整理してみようと思います。
試験の申し込みと日程
受験した時期は2022年(令和4年)の上期でした。「電気技術者試験センター」にて試験実施案内や過去問等が掲載されており、こちらのサイトから試験申し込みをしていく流れになっています。
インターネットから試験申し込みができますが、アカウントの登録が必要になります。
自分は上期の試験日程で進めたかったので、2022年3月に申し込みしました。試験日程はこんな感じです。
- 筆記試験:2022年5月29日(日)
- 技能試験:2022年7月23日(土)か2022年7月24日(日)
第二種電気工事士試験は「筆記」と「技能」に分かれていて、筆記試験に合格した受験者が技能試験に進むことができます。筆記試験は50問の選択式マークシート(4つの解答の中から1つを選ぶ)正答率60%以上で合格ですので、まずは筆記試験で60%以上の正答率が取れるよう、準備しておく必要があります。
筆記試験に向けて
筆記試験のためには、試験勉強する教材が必要になるので、とりあえず書店に行って何が良さそうかなあと陳列している書籍を眺めていたら、見た目分かりやすそうな教材を目にしたので、これを購入しました。
TOOL BOXさんの書籍です。本をパラパラっと何枚か開いて確認したところ、図解や説明が自分にとって分かりやすく、かつ勉強の進め方や優先度の整理もされているように見えました。うん、これなら勉強も進めやすそうだなと。
あとは、日本エネルギー管理センター事務局さんのYoutubeチャンネルでの筆記試験対策も非常に参考になりました。実際の試験で出た問題に対しての効率的な解き方を丁寧に解説されています。
これで一通り試験で出題される範囲の勉強や解き方を理解した後は、あとはひたすら過去問にチャレンジです。これを解いていくことによって、出題の記述等のパターンや解答の勘所がわかるようになってくるので、「頭」、というよりは「体」で覚えるというイメージでしょうか。
過去問は電気技術者試験センターのサイトにて公開されているので、入手は可能ですが、これらを解くにあたって、PDFファイルをダウンロードして紙に印刷するのは非常に手間です。
なので、インターネットでそういった過去問を解くサイトがあればいいな・・・と思って探していたらありました!
様々な資格試験の過去問をデータベース化しているサイトです。かつ無料でオンラインで過去問題を解くことができるほか、サイトにアカウント登録すると、解答履歴や誤答だった問題のみを出題してくれたりと、試験勉強をするにあたっては非常に便利なサイトでした。
このサイトで過去問をひたすら解きまくって、平成21年度以降の過去問を全部解いて、全体の正答率を90%ぐらいに持っていくことができました。まあ、全部で1,200問あるので、これでその正答率であれば、実際の試験でもおそらく大丈夫なはず、と個人的には思っていました。
筆記試験当日
自分は千葉県在住ですが、2022年上期の試験場所は「開智国際大学」でした。
「午後の部」で試験に挑みました。実際に出題された試験問題は電気技術者試験センターの令和4年度上期の過去問を見ると分かりますが、ひっかけ問題的な問題は出題されなかったと思います。配線図の問題は木造家屋だったので、助かりました。木造家屋の場合はほぼ「単相 3 線式 100/200 V」になるので、例えば絶縁抵抗の最小値の場合は対地電圧も150V以下になるので、0.1MΩ以上となりますし、ある程度回答が絞れるためです。あと、金属管工事もでないと思いますので。
午前の部の配線図は工場だったので、午後と比較して若干考えないといけない幅が広かったのではないかと思います。
試験結果はWeb公表が先行して行われ、「2022年6月13日(月)12:00」に電気術者試験センターの合格者一覧検索から分かります。受験した自分の番号を入力して検索したら、見事に合格していることがわかりました。正答率はわかりませんが、とりあえず、筆記試験はパスしたので、これで技能試験に向けて本格的に進めることができます。
技能試験に向けて
技能試験は筆記試験当日の1ヶ月前から準備していました。理由は「筆記試験に向けて」で書いた通り、過去問全体で90%の正答率だったので、これなら筆記試験をパスできるだろうと見込んでいました。
実際、技能試験の候補問題は全部で13問あり、各県での試験によってはこれらの問題から何が出題されるか分からないため、全ての問題をこなしておく必要があり、仮に土日で各1問練習するのであれば、合格発表から技能試験までの準備期間が短いため、前倒しで準備しておく必要があると考えたためです。
実際に技能試験の準備では、全13問を計2回は練習しました。
技能試験の練習に向けて購入したのは、筆記試験の時の同じでTOOL BOXさんの書籍、練習セットでした。まあ「すい〜っと合格」シリーズの本を買って筆記試験に挑んだので、その流れで技能試験でも合わせたという感じですね。
ツールや練習セットはTOOL BOXさんのサイトで購入(組み合わせによっては割引あり)
ツールと2回分の練習セットを購入し、土日で各1問のペースで少しずつ課題をこなしていく計画です。まあ、平日は仕事もあるので、なかなかそのための時間を確保するのが難しいので。
同時に、TOOL BOXさん主催の技能試験向け講習会も申し込みました。上期での講習会ですね。
講習会に参加すること自体は必須ではないと思いますが、申し込んだ動機は自分が作った作品の出来や欠陥有無を第三者からチェックして欲しかった点、第三者からお墨付きをもらうことで、資格取得後の自身の配線作業に自信を持たせるためですね。
お金はかかりましたが、確実に取得したい点と資格取得後の自信と安心感も含めての投資だと考えました。
この講習会のおかげで、自分が施工した作品も第三者目線でチェック&OKをもらったので、自信をもって技能試験に挑めそうです。
その後は試験日当日に向けて、ひたすら候補問題をこなしていきました。
ちなみに、いくつか練習した実際の様子は動画でも残しておきましたので、ご興味、ご参考にしたい方はご覧ください。
No. 8
No. 10
No. 11
技能試験当日
自分は千葉県在住ですが、2022年上期の試験場所は「幕張メッセ 国際展示場ホール9」でした。まだWithコロナの状況もあってか、受験者全員がここで技能試験に挑みました。受験者は土曜日か日曜日どちらかの試験でしたが、自分は土曜日の試験でした。
試験場内は撮影禁止なので、中の様子を写真で撮れなかったのですが、だだっ広いホール9に約90人ずつ「あ」〜「に」のブロックに分かれて、用意された席に座りました。一つの長机に2人ずつ座って試験に挑みました。
雰囲気を文字で伝えるのがなかなか難しいのですが、一言で言えば、「イベント」でした。
ホールが広いためか、試験上の注意事項の説明や試験開始合図はホール内の放送で行われていました。
注意事項の説明のあと、問題用紙が配られ、表紙の材料をみて「No12」の試験問題であると理解。なるほど、総合的な技能が求められる問題がきたか、と。
と、ということで、材料確認と試験開始合図まで、描く複線図や作業の段取りを頭の中で整理しつつ、試験開始。
無事に期待した通りの作品を仕上げることができました。時間的には25分ぐらいで仕上げることができたと思います。特に波乱やトラブルはなし。
参考までに、これは自分が試験の時に書いた複線図です。
自分が描く複線図は黒、青(電線は白)、赤、緑の4色のフリクションペンを使用して、VVF1.6ケーブルの使用や150mmの長さの場合は記載を省略しており、今回はVVF2.0の部分、PF管を使用するIVケーブルの部分、そのケーブルで配線する長さ(200mm)のみ、分かる程度に書きました。あとは、接地側端子箇所や連用枠使用箇所、差込型コネクタやリングスリーブ結線箇所が分かるよう、緑ペンで描いたぐらいですかね。
合格発表
合格発表はWebで先行して行われ、「2022年8月18日(木)12:00」に電気術者試験センターの合格者一覧検索で確認できます。
受験番号を入力して検索すると・・・
あ、ありました、無事合格しました!ばんざーい!
そして免状交付
合格した場合は後日結果通知書が届くので、それをもとに免状申請をしました。申請は各都道府県で行います。自分の場合は自宅近くにある電気工事工業協同組合に電話で申請の予約を行った上で提出しました。
そして、申請からおよそ1ヶ月後に簡易書留で届きました。晴れて免状ゲットです!2022年3月から資格取得の勉強を始めて、ようやく資格を取り、感無量です。
まあ、もちろん免状あるだけでは意味がないので、やりたいことの幅が広がった・・・ということで、今後も講習会の参加や実務経験できるように取り組んでいきたいと思います。
余談・・・
後で気づいたのですが、技能試験の練習で使ったケーブルはそのまま捨てずに、心線は銅線なので、リサイクルに出すと高値で引き取ってもらえる、とインターネット上の情報を見ました。
すでに練習セットで購入したケーブルの3分の1しか残っていませんでしたが、それでもこの量。およそ銅線1kgあるかないかという感じ。
自宅の近くの金属類のリサイクル業者に連絡して、持ち込みで買取依頼。結果、
1kg 800円で買い取ってくれました!!
こんなことなら、最初から普通に燃えないゴミで捨てるんじゃなくて、銅線だけ残しておけばよかったな・・・と後悔。
ということで、これから資格取得を目指す人は、練習で使用したケーブルの銅線は捨てずに取っておきましょう!リサイクルに出せば少しは資格試験で投資したお金が戻ってきますよ!